【お題:「星が降る夜に」「心底憎いといった表情で」「手紙を破り捨てた」
】
【時間:ー】
◆◆◆
仕事を終えて、マンションに戻ったのは22時を過ぎた頃だった。
郵便受けを開けると、ピザ配達のチラシの他に、白い綺麗な封筒が入っていた。
はがきサイズの封筒だ。
見覚えのある字だった。嫌な予感がして、裏返す。
「……っ」
3年前に別れた彼からの手紙だった。
リビングルームにやって来ると、ソファに鞄を放り投げて、その封筒を乱暴に開けた。
「やっぱりね」
結婚式の招待状だった。相手の女は大学時代の私の親友。
いくら喧嘩別れした元カノだからといっても、私は大学の同期だ。私だけ招待しないということはできなかったのだろう。
せっかく忘れていたのに、こんな形で思い出さなきゃいけないなんて。
ポタリと招待状に涙が落ちる。
指で涙を拭うと、私は招待状を二つに引き裂いた。
「……」
ビリビリと細かく引き裂き、乱暴にゴミ箱へ捨てた。
手紙を引き裂いたところで、貴方への想いは消えなかった。
これで心が少しでも軽くなったらどんなによかったことか。
ベランダのドアをガラリと開く。涼しい夜風が吹き込んでくる。
見上げると、嫌みなくらい綺麗な夜空だった。
「土砂降りならよかったのに」
余計に私は空しくなった。無意味に空を睨みつけると、スーッと夜空を横切るものがあった。
流れ星だ。
『綺麗だね』
『また、見に来ような、二人で』
あの日の約束は嘘だったのだろうか。
いや、嘘ではなかった。あの瞬間だけは、確かに私たちは心を通じ合わせていた。
決して嘘などではなかったのだ。
あの言葉が本当だっただけに、余計に悲しい。
狭いワンルームに私の嗚咽だけが響いていた。

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