甘酸っぱい?苦いだけ

【お題:甘酸っぱい?苦いだけ】
【時間:ー】

◆◆◆

甘酸っぱい青春時代の失恋は、いつか大人になった時に宝物になる。
そんな言葉をどこかの誰かが言っていたが、そんなのは綺麗事だ。

初恋相手の好きな人が、私の親友だった。
私の恋を応援してくれると言ってくれていたはずの親友は、彼に告白されたら、二つ返事でオッケーをした。そして親友は私に「ごめん、彼と付き合うことになった」と申し訳なさそうな顔をして言った。
「彼のこと、最初から好きだったの?」
私がそう聞くと、しばらくして親友は答えた。
「いや、最初は全然思ってなかった。あんたの恋愛相談のってるうちに、彼っていい奴だなって思い始めて、いつの間にか好きになってた」
「ってことは、私が、彼を好きにならなければ……アンタに恋愛相談なんてしなければ、彼のこと好きになることはなかったってこと?」
「……そう、かもしれない。本当にごめん」
「最低!裏切り者!……アンタなんかとはもう一生話したくない!」
私はこの日、初恋と親友を同時に失った。

惨めだった。悲しくて悔しくて消えてしまいたかった。
青春は甘酸っぱい?いや、苦いだけだ。こんな最低最悪の思い出がいつか宝物になる?ふざけないで。
こんなに苦しいなら恋なんかしなきゃよかった。
誰かを信じるなんて愚かなことするんじゃなかった。
ひとり分の嗚咽と校内放送だけが、放課後の教室に響いていた。

 

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