即興小説

変わる

【お題:『骨』『ライブ』『新月』】【時間:ー】◆◆◆ミュージックシーンは時代に合わせて変化する。音楽にも流行がある。その時代で流行っていたジャンルが数年経てばば、「なんかダサい、古い」なんて言われて聞かれなくなるなんてこともザラにある。しか…

スクラップ

【お題:ねーたもつ、身体の一部を失った双子の片割れと物理で何でも直す家電修理屋が一緒に暮らすまでの話書いてー。】【時間:ー】◆◆◆僕たちは2人で1人だった。ずっと一緒だと思っていた。唯一の収入源であった缶詰工場から、ついに解雇されてしまった…

いつか必ず

【お題:『通信』『留守』『羊』】【時間:ー】◆◆◆視界に広がるのは、牧草地の緑色、空の青色。羊たちの群れの白色。私の日常は、この三色でできている。生まれてからずっと、この景色を見て育ってきた。だからこれといって、特別に意識することはなかった…

僕だけが知っている

【お題:「誰もいない部屋で」「二人、手を握りながら」「恋をした」】【時間:ー】◆◆◆ガラリと視聴覚室のドアを開いた。窓から差し込む赤い夕日に思わず目を細める。赤い空に切り取られるように、窓際に影があった。彼女は僕に気づくと、ぱぁっと表情を明…

あんたは俺のヒーロー

【お題:ねーたもつ、性格の悪いモデルと酔いどれ受付嬢のどちらかが、誰かのヒーローになるまでの話書いてー。】【時間:ー】◆◆◆「……頭いたい、帰りたい」二日酔いの体に鞭を打って出社した私は、ひとりごとを呟きながら始業時間3分前に受付に座った。…

次の街へ

【お題:『CD』『猫』『トランク』】【時間:ー】◆◆◆「この土地ともおさらばかぁ……」高台から街を見下ろしながら思わず呟いた。今日はどこまでも澄んだ青空で、出発の日にふさわしい天気だった。ニャーと背後で鳴き声が聞こえた。アメリカンショートヘ…

星降る夜に

【お題:「星が降る夜に」「心底憎いといった表情で」「手紙を破り捨てた」】【時間:ー】◆◆◆仕事を終えて、マンションに戻ったのは22時を過ぎた頃だった。郵便受けを開けると、ピザ配達のチラシの他に、白い綺麗な封筒が入っていた。はがきサイズの封筒…

海の底

【お題:「暗い海の底で」「抱き合いながら」「キスをした」】【時間:ー】◆◆◆「そこまでだ」背後から低い男の声が聞こえた。振り返ると見覚えのある顔だった。白銀の髪。切れ長の目。真夜中の船上デッキ。客船の乗客のほとんどは寝息をたてている時間だ。…

約束の桜

【お題:「夜桜の下で」「冷めたコーヒーをすすりながら」「約束をした」】【時間:129分】◆◆◆車検を来月に控えた中古軽自動車から降りた俺は、足下を見た。駐車場の砂利に桜の花びらが混じっていた。俺はゆっくりと顔を上げた。今年も桜は満開である。…

お似合いのカップル

【お題:放課後の教室で・抱き合いながら・死んでしまいたいと思った】【時間:46分】◆◆◆「佐竹」三輪はチュッとキスをすると、そのまま俺の背に腕を回し、俺の肩に顔を埋めるようにギュッと抱きしめた。三輪の髪からほのかに甘い香りが漂う。その時。ガ…

今こそ君に

【お題:世界が終わる日に・溶けるように・罪を償った】【時間:68分】◆◆◆「……ここもだめか」かつて渋谷と呼ばれた地に僕は立っていた。全盛期の渋谷は、流行の最先端として若者で溢れかえっていたらしい。しかし、僕の目の前に広がっているのは、崩れ…

春が始まる

【お題:『風』『フラスコ』『ゆとり』】【時間:ー】◆◆◆「じゃ、ちょっと学校行ってくる」玄関でローファーを履いていると、台所からお母さんが顔を出した。「え?まだ春休みでしょ?それに今日は良子叔母さんたちが来るから家にいてねって言ったじゃない…